複習筆記詳解
第一章 上代の文學
1.1 複習筆記
目次
1.時代の背景
2.文學の流れ
3.文學の特徴と理念
4.代表的な作品
1.時代の背景
(1)上代(大和・奈良時代)
大和政権成立以前~桓武天皇による平安遷都(794年)。
(2)國家制度の面(氏族制から絶対的國家へ)
①7世紀の始め、中國文化の導入、仏教の興隆、十七條憲法の制定や大化の改新の斷行によって、天皇中心の國家意識を強調した。
②7世紀後半、天皇を絶対とする律令制、中央集権國家が完成した。
(3)文化の面
中國大陸の様式を摂取し、飛鳥文化や白鳳文化が出現し、やがて奈良朝では天平文化が成熟していった。
2.文學の流れ
文學は、原初の未分化な狀態から、後に祝詞、宣命や歌謡、さらに神話・伝説・説話などが分立し固有の表現を持つようになった。
(1)祝詞と宣命
①起源
上代には、言葉には神秘的な霊が宿るという「言霊信仰」がある。そこで、祭りやまつりごとでは、言葉の効果を期待し、よい言葉や美しい言葉を使うことに努め、これが文學を成立させることになる。
②祝詞
原始時代の祈禱や呪言から発し、大和朝廷の中に伝えられた。それらは皇室の安泰と國民の繁栄を祈願する律動に富んだ詩章を持つ語り物であり、宮廷の儀禮の中で豊作祈念や悪病退治のために神に語りかけられるものであった。
③宣命
a定義:國家の意志、天皇の意図を臣下に伝える文章の中で、漢文の詔勅に対し、日本の國語で記された文をいう。
b表記法:宣命書き。
c現存するもの:『続日本紀』
(2)歌謡・神話・説話
①歌謡
原始時代の素樸な感動の叫びは、韻律を伴った歌詞として成長し、繰り返し歌われるようになり、そして歌謡として定著した。その中、男女が集まって歌舞を楽しみ、愛を語らう歌垣が注目される。
②神話・説話
a起源:神々を恐れ敬う信仰心。
b神話:神々の活動を物語ったもの。例えば、『天の巖戸』神話。
c説話:氏族の歴史や祖先の物語を主とした展開している話。例えば、『浦島説話』。
(3)口承文學
口から口へと語り継ぎ、歌い継がれた神話・伝説・歌謡・祝詞など、或いは専門的な伝承者の語部によって歌い継がれた文字によらない文學を口承(伝承)文學という。
(4)外來文化の傳入
①仏教の伝來
6世紀半ば頃、仏教が伝來し、聖徳太子らによって國家の保護を受け、寺院の建立や、経文の研究、流佈が活発に行われた。
②漢字・漢籍の伝入
a時期:五世紀頃
b代表的なもの
・聖徳太子:「十七條憲法」
・天智天皇:漢詩文が奨勵される。
・藤原宇合の詩集や石上乙麻呂の『衘悲藻』
・『懐風藻』
③中國文化の開花―白鳳文化
a中國詩文の影響も宮廷の間にひろまり、文學に対する個人の意識も強くなっていった。
b「萬葉仮名」「宣命書き」などが発明され、日本文學は、これにより記載文學の時代へと移っていくのである。
(5)記載文學の時代
①大和政権は、権力強化を図るため、史書・地誌の編纂を行い、記録した。8世紀から生まれた『古事記』、『日本書紀』、『風土記』、『萬葉集』などがそれで、口承されてきた神話・説話・歌謡の集大成である。
②「記紀歌謡」:『古事記』、『日本書紀』における古代歌謡。
3.文學の特徴と理念
(1)特徴
上代の文學は民族の生活に深く結びついた口承文學から記載文學へ、集団的文學から個人的創作の文學への発展であった。
(2)理念
①まこと
a定義:素樸で力強く、ありのままの人間性を示すもの。
b表現:『萬葉集』、『古事記』などにおける素樸な美;「宣命」に用いられている「真言・誠」の心。
②ますらをぶり
男性的なおおらかな歌風をいう。賀茂真淵らは、『萬葉集』にこの風があるとして尊んだ。
4.代表的な作品
(1)『古事記』――史書・日本最古の書籍(対內的)
①成立
天武天皇の命を受けて帝紀や本辭を朝廷中心のもとに統合整理し、稗田阿禮に詠み習わせた。稗田阿禮が誦習したものを、元明天皇の命により、太安萬侶が選録し、和銅5年(712年)に奏上した。
②內容
a構成:序文と上・中・下巻の三巻から成る。
b內容:天地の創造から第三代の推古天皇までの神話・説話・歌謡、皇室の系譜などが記されている。
上巻はすべて神話伝説から成り、中巻は神武天皇から応神天皇まで、下巻は仁徳天皇から推古天皇までの語り物的敘述である。
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